『機動戦士ガンダム』を全話語ってみる(第43話)

第43話 脱出



脚本:星山博之
演出:関田修
絵コンテ:斧谷稔
作画監督:山崎和男
1980年1月26日放送



-グッと来たセリフ①-

「ガンダムのパイロットはアムロといったな、
どうする、あのニュータイプに打ち勝つ方法は…!!

んっ?!

ララァ教えてくれ、どうしたらいのだ!
(シャア・アズナブル)」




-グッと来たセリフ②-

「僕の好きなフラウ、
次に銃撃が止んだら、一気に走り抜けられるよ
(アムロ・レイ)」



-あらすじ-

ジオングとの対決、
ホワイトベースの白兵戦などを経て、
全てのことに決着のつく話です。





165ピース ジグソーパズル クリスタルパズル 機動戦士ガンダム ラストシューティング (ジグソーパズルタイプ)
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-感想-

今回最終回ではあるのですが、
宇宙世紀という歴史自体は終わることなく
これ以降も長きに渡って続いていくことになるので

ある意味本作にとっての
最も大きな悲劇というのは、続編が
作られた事にあるように思います。

話が続く以上、地球連邦政府はどんどん腐敗して
いかなければならないし、ニュータイプに人類全てを
覚醒させるわけには行かないしで…。

ここで終わっていればね、現実認知に縛られること無く、
未来に希望の持てる物語として成立できたような
気がするんですけどね。




フェンシングでアムロがシャアと直接対決してるシーンで、
同志になれ、みたいな会話がありますが、「Z」では
一時的にそうなっちゃってますよね。

最終的に「逆襲のシャア」で再び対立するわけですが、
確か小説版の「Z」だと思うのですが、シャアって

「平和の時のインテリジェンスを感じさせない」
ってベルトーチカに言われたような気がします。

そういう意味では、シャアは戦うことしか出来ない、
戦争の中でしか生きることのできない、
可哀想な人だったのかもしれません。




そうそう、ラストシーンで、
アムロがコアファイターから飛び出して
スペースランチに乗り移る直前で

別カットに切り替わるのですが、
結局誰の元へ泳いでいったのかわからないので、
友達が気になっていました。

友達は
「セイラさんだ!」
と言い張っていましたが、

私は、というと、あんまりそういうことは
気にしない人だったりしました。

それを明確にしてしまうと、
「野暮」なような気がするんですよね。







――――いかがだったでしょうか。

なるべく今までに無い切り口で物語を
語ってみようと思ったのですが、やっぱり何らかの
書物の影響が入ってしまったかもしれません。




やっぱり、ファーストは別格でしたね。

作画やデザインなどは時代を感じさせますが、
物語そのものは三十年近くたった現代においても
まったく古びていないと思います。

あと、前回の「Vガン」と比較してしまうと、
とにかく物語の展開を親切丁寧にわかる
仕組みになっていましたね。

富野由悠季監督の言葉を借りるなら
「フィルムを見れば判ります」
と言ったところでしょうか。




それでも画面には出てこない設定なども
あったりするのですが、物語を理解する上では、
何の不便もありません。

また、アニマックスで放映時には、
次回予告も流れていたのですが、

この予告、なんと次回のオチまで
語ってしまっているのです。

かといって、決して面白みを
損なうものでもなかったりします。

なんというか、結末よりも、そこに到る
過程の物語の方が重要、とでもいうのかな。




こういった作品作りは、現在では、
メディアミックスでの商売を考えるとあまり
好ましい作り方ではないのかもしれません。

でも、こうした「観客に親切丁寧」な
作品作りを否定した商品が、それ以上の売上を
果たしているのかな、と思うと疑問を感じたりします。

そういった事情も踏まえ、
最初のシリーズ「機動戦士ガンダム」は、
空前にして絶後の作品であると思うのです。
(初出:2007年12月17日)

U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍 多目的軽戦闘機 FF-X7 コア・ファイター (機動戦士ガンダム)
U.C.HARD GRAPH 1/35 地球連邦軍 多目的軽戦闘機 FF-X7 コア・ファイター (機動戦士ガンダム)


-2021年2月20日追記-

遂に最終回に到達したということで、
まずは第41話からの流れで、

シャアとララァとの関係性から
物語の総括をしていこうかと思います。




たまたま第41話辺りを放送している時に
劇場版のYOUTUBEで劇場版の配信があって、

さわり程度をながら観をしたのですが、
その際、第41話にもあったシャアとキシリア・ザビが
対峙したシーンで

シャアはキシリアに対して

"打倒ザビ家を捨て、
ニュータイプのための世作りをしたい"
という目論見のようなものを披露しているのですが、

この時点では確かにそう思っていたのかもしれませんけど
最終的にはキシリアを殺害していたり、

続く『Z』では、

「~では訊くが、ティターンズを倒し、
ザビ家を排除した後で、お前は一体何をしようというのだ」

というハマーン・カーンの詰問に対して
目の前の現実を見ていないとしか
言いようのない発言をし、

最終的に『逆襲のシャア』では
宿敵、アムロ・レイに対して

「~私は世直しなど考えていないっ!」
などと本音のようなものを吐露して
しまっていたりして、

なんというか、シャアって物凄く
"器の小さい人"というか、口先だけの
”ええかっこしい”な男というべきか…。




ひょっとしたら、そういう部分も含めて
ララァに自身を包み込んでもらって、"母"と
なって欲しかったのかもしれませんね。

そう考えると、そのような"女々しい"ところが
ジオン滅亡後に逃走したアクシズで
ハマーン・カーンを失望させて

続く『Z』では

依存心の強いゲリラあがりのエゥーゴの
メンバーであるレコア・ロンドから
愛想を尽かされることになったり、

更には本来『ZZ』の物語後半で
ハマーンに対して反旗を翻す

グレミー・トトの役処はシャアが
演じるはずだったことを踏まえると、

だからネオジオンの強化人間である
エルピー・プルは少女であり、

なおかつ、ララァのような大きな瞳と
度が過ぎるほど一途に好きになった対象を
盲目的に追いかけ続ける性格だったというのも

妙に納得というか、当然の結果というべきか、
とにかく変な説得力のようなものを
感じずにはいられませんでした。




そういう人間臭さがシャアを
単なる悪役だけに留まらない、

ガンダムを語るうえで必要不可欠な存在まで
押し上げられたのかなぁ、なんて思います。

物凄く"見栄っ張り"な男だった、
とも言えるのではないでしょうか、シャアは。

そういう意味では確かに悪役ではあるのでしょう。

結局、『Z』以降はシャアの物語だったと
言えなくもないように思います。

この物語に置けるシャアのウェイトが
大きくなってしまったがために、

ファーストガンダムを支持していた層の
一部が『Z』以降、脱落してしまって
行ったようにように思います。

当時は、私もその一人だったんですけどね。

ただ、未だに地方局とはいえ
tvkで、ファーストに続いて『Z』も
再放送されるということを考えると

作品の方向性自体は間違って
いなかったのでしょう。




さてさて、ガンダムといえばもう一つ、
"ニュータイプ"の要素があるのですが、

第33話からの流れや
今回のグッと来たセリフ②から考えてみると、

宇宙世紀最強クラスのニュータイプとされる
アムロ・レイであっても、

その好きな人であったフラウ・ボゥとは、
あるいは、最も身近な存在ともいえる両親とも

必ずしも"誤解なくわかりあえている"とは
言えない関係であり、

そんな存在が"人の革新"の象徴として
奉られてしまうのは、ちゃんちゃらおかしく
思えてしまって、

極端に言えば"ニュータイプ"って
その程度の存在でしかないのに

周囲が大げさに反応し過ぎている、
とでもいうんでしょうかね。

特に『UC』には著しい違和感を
覚えるんですよね。

『UC』を好きな人を否定するつもりは
ありませんし、あくまでも一個人の
意見であるのですけど、

この程度のものが"人の革新"なのだとしたら
あまりにもスケールが小さすぎて、悲しさや
淋しさすら感じるのに、

そんなに必死になって後付け設定ではあるものの
"宇宙世紀憲章"なるものを隠す必要があります?
そもそも、そんなもの作る必然があります?

何というか、"カルト"的なものを
感じてしまうんですよね。

"ニュータイプ"という存在に対しては
『機動戦士ガンダムZZ』の第47話の感想でも
触れているので、よろしければ併せて
ご覧いただければと思います。

まぁ、本当の意味での"ニュータイプ"という存在は
未だ出現していない、という設定だったようにも
記憶しているんですけど、

『逆シャア』以降、
冨野由悠季監督のガンダムでは

あまり"ニュータイプ"に関することは
重視されなくなっていったことは、個人的には
正解だったと思います。




ともかく、時代を越えて続く
「ガンダム」の原点はやはり
偉大であったと思います。

tvkの再放送を機に、"全話語ってみるシリーズ"の
加筆・訂正を始めたのですが

このtvkの再放送枠の次回作はまさかの
『機動戦士Zガンダム』
なんですよね。

この勢いで引き続き『Z』も続けるべきか…

最近色々時間が取りにくくなって
たりもするんですけど、、、

果たしてっ?!















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