『機動戦士ガンダム』を全話語ってみる(第38話)
第38話 再会、シャアとセイラ
脚本:松崎健一
演出:藤原良二
絵コンテ:藤原良二
1979年12月22日放送
-グッと来たセリフ①-
「~了解した。
フラウ、ハヤトの様態を視てきてくれないか、
ハヤト淋しがっているだろう(ブライト・ノア)」
-グッと来たセリフ②-
「ララァ、私にも悲しいことがあるのだよ、
訊かないでくれんか(シャア・アズナブル)」
-あらすじ-
前回から直接繋がる話です。
アムロはシャアの乗るゲルググも撃退しますが、
ガンダムにもダメージが蓄積してしまいます。
ホワイトベースは、アムロを捜索するために
テキサスコロニーに侵入、ここでタイトルにあるとおり
シャアとセイラが再会します。

HGUC 1/144 MS-14S シャア・アズナブル専用 ゲルググ (機動戦士ガンダム)
-感想-
この話もほぼ映画版と同じ流れなのですが、
いくつか違う部分があって、アムロ捜索のための無線は、
フラウ・ボゥが過労でフラフラしているのをブライトが察して、
ハヤトの様子を見に行くように指示して休息を促し、
インカムはブライトが引き継ぐことになっていたりします。
この流れはTV版のほうが自然でした。
あと、シャアとセイラのやり取りは映画版のほうが
ドラマチックになっていたりします。で、結局アムロを
発見したのもセイラだったりしてます。
第35話から再登場していたワッケインですが、
テキサスコロニーから出港するザンジバルと
対戦した後に戦艦マゼランは沈められ、
最初から最期までシャアにやられっぱなしで
終わってしまったようです。
ブライトは、残骸と化したマゼランを目にして
「ワッケイン指令――」
と絶句して涙をこぼすのですが、
かつてルナツーで、
あんな目に遭わされているのに
随分と人がいいような。
と、同時に、生粋の軍人で固められた
部隊以上の実力を、ホワイトベースが持っていることが
このことからわかることになります。
(2007年12月15日初出)
-2021年1月15日追記-
今回は、シャアとセイラの過去が
披露される回ではあるのですが、
細かなところを見ていくと、
グッと来たセリフ①のような
伏線が貼られていたりするんですよね。
とはいえ、この時点ではフラウとハヤトが
結ばれるという展開は構想に
なかったようですけどね。
そして、今回のグッと来たセリフ②なんですが、
前回の
「~ララァ、冗談はやめにしてくれないか」
というセリフと同様に、
どこかララァを突き放すかのような
態度を取るんですよね、シャアは。
後の世の"逆襲のシャア"での、
「~ララァは私の母に~」という発言を考えると
この辺は独りよがりのようにも感じますね。
”誤解なく理解し合える人間”という
意味合いで言えば、
シャアはニュータイプと足り得なかった
存在のようにも思いますね。


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