『銀河鉄道999(TV版)』を全話語りたい!(第28話)
第28話 かげろう星の文豪
脚本:藤川桂介
演出:大谷恒清
作画監督:落合正宗
1979年3月29日放送
前停車駅:雪の都
次停車駅:
登場列車:銀河超特急999
-この回の予告-
「メーテルの秘密を知らされた時、
かげろう星の文豪は、その恋心を捨てた。
メーテル、きみはその淋しげな微笑みの下に
どんな秘密を隠しているのか。
次回の銀河鉄道999は
“かげろう星の文豪”に停まります」
-グッと来たセリフ①-
「銀河鉄道規則、第32条、
乗客自身の署名の無いパスは無効である。
乗車することは出来ない(車掌)」
-グッと来たセリフ②-
「~あなたも、私の本当の姿を見たい?(メーテル)」
「う~ん、そばに居てくれるだけでいいよ。
(星野鉄郎)」
-あらすじ-
漆黒の闇に光を灯し虚空の軌道走る999の
次なる停車駅は、熱気でその姿が陽炎に揺らめく
人が誰も済んでいないという「かげろう星」であったが、
列車が駅に接近すると、突如として
窓ガラスが破損して石が転がり込んできた。
動物の悪戯を疑う鉄郎だったが、
メーテルは何者かによる投石であるとして、
駅の停車時間内に実行者を探そうとする。

コクヨ 原稿用紙 B4 縦書き 100枚 ケ-10-5N
-感想-
今回はおそらくメーテルの持つ"神秘性"と、
孤独を求めながらもメーテルを奪おうとした
人間の持つ"矛盾"や"曖昧"さのようなものが
描かれたのだと思うのですけど、
結局"世井正雪(よいしょうせつ)"が最後に
メーテルの何を見たのか、描かれないまま
物語は幕を閉じてしまいましたね。
個人的には、"中年サラリーマン左江内氏"のような
"忘却光線"を見たんじゃないかと思いますが…。
意外だったのは今回の"グッと来たセリフ①"
なんですけど、そんな規則があったとは…。
そうすると、今までパスが盗まれても名前さえ
書き換えられなければ、慌てて取り返す
必要もなかったんですね。
現在では、都市部で鉄道の定期券の購入に
使用者本人の署名が必要な場合って、
少ないように思うんですけど、
盗難や偽造などによる不正乗車の防止策としては
まだまだ有効のようにも一瞬思ったんですが
コスト的なことを考えると、現在のICカードによる
利用停止処置の方が合理的なのかもしれませんね。
そして、グッと来たセリフ②なんですけど、
時として、目に見える事実よりも心で見える事実の方が
"真実"である、って場合もありますよね。
ひょっとしたら、それは機械の身体では
見ることは出来ない"真実"なのかもしれません。
-エピローグ-
人の心の中は、この宇宙よりも広く、
他人には決してわからないものだという。
しかし鉄郎は、メーテルの心を信じて銀河を旅する。
この銀河超特急999に最後に何処に着くのか
わからないままに…。
(ナレーションより)