映画『HOUSE ハウス(大林宣彦監督)』の感想

脚本:桂千穂
監督:大林宣彦
1977年7月30日公開




-感想-

本作は記念すべき大林信彦監督の
商業映画第一作だったりするのですが、

なんというか、色々と特殊な
作品のような気がしないでも
無いような気が…。

初めて観たのは、十年以上前に土曜日か
日曜日に確か日テレで放映された
時だったと思うのですが、

その独特の映像がやけに
印象に残ってたりします。




実はその時、途中から観始めていたので、
今回改めてレンタルDVDで最初から
観始めたのですけど、

やはり最初から独特な雰囲気で、
背景からして絵だったり合成だったりと、

現実感に乏しい幻想性の高い映像で、

基本的には、女の子たちが家のバケモノに
食べられてしまうという、ホラー仕立ての
物語であるのですが、

上記の独特の雰囲気、それに加えて
80年代を彷彿とさせるような(公開されたのは70年代ですが)
ポップな雰囲気から、

あまり怖さを感じない映画となっていました。
言うならば、アイドル系バラエティホラー
とでもいうんでしょうかね。




興味深いのは、ヒーロー不在の
ヒロインのみが登場する物語で、

一応何人かの男性は登場しますが、
彼らの合計出演時間はおそらくは10分程度で、

映画全編の殆どの割合で映っているのは
主人公であるオシャレ(池上季実子さん)を
始めとした女性キャスト陣でした。

その辺からある意味、物語は
家のバケモノに食べれられてしまう
女の子たちの話、というよりは、

老女に食べられてしまう若い女の子たち、
とも受け取れられたりするのですが、

かといって、一般の怪談で
老女が若い女性に抱くであろう怨念、

例えば若くて初々しい青春を謳歌する女の子たちへの
嫉妬心や恨みのようなものは

あまり感じられなかったりします。




どちらかといえば、GIGAに代表される
女の子を主人公とした“特撮AV”から感じさせる

創生と破壊という男性の根底的な本能の
ようなものを刺激させているような気もします。

どちらも、精巧に作られた舞台装置の中で
人形のように美しく着飾られた女の子たちを、

言葉は悪いですが、弄んでいるようにも
見えてしまうので。

特に、スウィートやメロディ、クンフーや
あるいはファンタが“食べられる”シーンは

性的行為の暗喩のように描かれている
節を感じなくもないです。

まぁ、これは個人的な意見だとは思いますけど。




他にも、ファンタのおばちゃまのバックボーンからは、
『さびしんぼう』以降の“初恋至上主義”みたいな
ものを感じさせたりするので、

色んな意味で大林監督作品の
原点のようなものが本作に集約されているのかな、
なんて思います。


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