『相棒season9(第8話)』の感想

第8話 ボーダーライン



脚本:櫻井武晴
監督:橋本一
2010年12月15日放送




-グッと来たセリフ①-

「……あんたなんてもう、価値無いのよ(柴田の元婚約者)」




-グッと来たセリフ②-

「ンフフフ、あちこち名前貸し過ぎだよ(中略)
お前の名前にもう価値はないよっ、ンフフフ(名義屋)」




-グッと来たセリフ③-

「……気に入ったら、買ってくださいね。
(ドーナツ屋の店員)」








-あらすじ-

とあるビルで発見された死体。
腕に防御創があることから事件性が浮上した。

被害者の氏名は柴田貴史。
所持金は無し、所持物は何らか施錠を
するためと思われる錠前が三本。

この案件を米沢から知った右京は、
被害者の胃のいくつかの内容物に統一性や
関連性が乏しいことに興味を抱き、

神戸とともに捜査に乗り出すことになった。








-感想-

この回は相棒シリーズの中でも話題になって
既に色々な方が様々な考察をされていて、

放送から8年を経た今頃、私ごときが語ることなんて
ほぼ無い様に思うんですけど、それでも取り上げたのは

何かにつまずいた時の励まされ方として、

自分自身は、倒れた自分に手を差し伸べてくれる方が
立ち直りが早いのか、あるいは、

尻に火をつけられる方が早いのか
調べてみたい、

ということで試しに観たのが
北野武監督の『キッズ・リターン』と本作だったりします。




で、結果なんですが、
上記三つの“グッと来たセリフ”を耳にして、

「なにぃっ! 今に見てろよぉぉぉ!」

と熱いものがこみ上げてきたので、
個人的には後者の方が立ち直りが早いのかなぁ、と。

まぁ、たまたま私がM気質であるということと、
比較的現在の精神状態が安定していたから、
ということもあるのかもしれませんけどね。




せっかくなの本作の物語の方にも
少し触れようかと思うのですが、

この回の主役ともいえる柴田貴史は、
特別怠け者とか、重大な欠点を持った人間ではなく、

リサイクルショップの店主も
言っていましたが前科や借金もない、

いわば何処にでも居そうな普通のちょっと
“お人好し”な人間として描かれていたのが特徴で、

もしも彼が貪欲に現金の無心に走っていたら、
起こらなかったかもしれない事件なんですよね。

家族へや婚約者へもしかり、
福祉事務所へや悪徳土建会社へにもしかり…。

しかし、彼は誰に迷惑をかけることなく、
経済的困窮の解決の手段として、
自らの命を絶ってしまった。

そうせざるを得ない状況に追い込んだ
“社会”へ復讐することもなく…。

結局、この世の中は弱肉強食の世界で、
“お人好し”な人間は淘汰されゆく
運命なのかもしれませんが、

“価値”の無い人間はこの社会には
不必要なもんなんでしょうかねぇ。

というか、何の“価値”のない人間なんて
この世には存在しない、と思いたいところです。


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