『∀ガンダム』を全話語ってみる(第7話)
第7話 貴婦人修行
脚本:浅川美也
演出:森邦宏
絵コンテ:森邦宏
作画監督:佐久間信一
1999年5月21日放送
-グッと来たセリフ-
「では、地球と月が仲良くやっていけるように
取り計らってくださいますね?(ローラ・ローラ)」
「もちろんです。あなたとわたくしは、
立場は違いますが、想いは同じと感じました。
お互いに頑張りましょう(ディアナ・ソレル)」
「はいっ!(ローラ・ローラ)」
「グエンさん、お互いに大切と想う人々を
いつまでも不安にさせておくのはよくありません。
交渉を再開させて頂けますか?(ディアナ・ソレル)」
「もちろんです(グエン・サード・ラインフォード)」
-あらすじ-
地球側とムーンレィス側の間に
不穏な空気が流れる中、
ディアナ・ソレルはお互いの理解と親睦を
深めるためにダンスパーティーを
開くことを提案する。
グエン・サード・ラインフォードは
その場を利用してミリシャに対する潜在的脅威を
ムーンレィス側に与えようと、
ロランを女性パイロットローラ・ローラとして
パーティーに参加させようと画策する。
ディアナに対する憧れと、争いを広げたくない
ロランはこれに乗って、キエル・ハイムから
“貴婦人修行”を受けることになる。
一方、ひょんなことからディアナ・カウンターに
パンの販路を拡大させたキースは、パーティー用の
ケーキの注文も受注することになった。
-感想-
おそらくは、このような時の為に
ロランは中性的なデザインとなって
ガンダム史上初めて女性キャストが声を
充てるということになったのだと想像するのですが、
私は当初この辺の設定は、いわゆる“やおい受け”を
狙ったものなのではないかと思っていたのですけど
“∀の癒し”によるとグエンがロラン(男性)を
ローラ(女性)と呼ぶことが全体の流れの軸に
なっているみたいなんですよね。
∀の癒しには
いまはさ、“バーチャルと自然回帰”という図式があって、
ファースト・ガンダムの時にあった“どうでもいいや”
という部分が無いでしょ(15Pより)
敵味方の陣営が判然と見えてしまうような
設定だけは採用できない。(25Pより)
という記述もあるのですが、何となーくではありますが
その“軸”がこの辺に繋がっているのかな、と。
そういえば、前期OPで登場するロランの影だけ見ると
線があまりにも細くて男性というよりは
女性に見えますよね。
しかも、ロランはムーンレィスでありながら、
地球側に立って戦う。
まだおぼろげな状態ではありますけど、
『∀』で冨野監督が描きたかったことというのは
様々なシステムに組み込まれて0と1、白と黒、得と損、
などデジタル的な狭い視点に縛られてしまった
人間の持つ多様性への回帰みたいなことなの
ではないかなぁ、などと思うのですが、
物語のこの時点ではまだ何とも言えませんね。
まぁ、難しい話はともかく、
ロランが女装をあんまりイヤそうにしなかったのは
オネェ系の素質があったからなんでしょうかね?!
これまでどこかクールで仏頂面が多かった
キエル・ハイムがノリノリでロランを貴婦人修行
させているのが何だか微笑ましいです。
-次回予告-
月から帰還してきた一家と知り合いになるのも
不思議ではないけれど、クーエンさんは赤ちゃんに
飲ませるおっぱいが無かった。
ディアナ・カウンターは民間人の心配などはしないから、
僕たちはミルク探しを始めた。
それに、ソシエお嬢さんが付いてきてしまった!
次回、∀ガンダム、“ローラの牛”
風はミルクを運べない


