ドラマ『スクール☆ウォーズ』を全話語ってみる(第9回)

第9回 愛ってなんだ



1984年12月1日放送
脚本:長野洋
監督:岡本弘




-グッと来たセリフ-

「俺は駄目な男だよ…。あいつらが、
どんなに必死になって頑張っているのか考えないで、
結果ばかり見て怒鳴ってたんだ。

あいつらの心を、信じることも、待つことも、赦すことも、
何一つしようとしなかったんだ…。
(滝沢賢治)」




「~安心したんですよ、
先生もオレ達も対して変わらねぇ人間だって。

先生、あんた神様になろうとしてるんじゃねぇんですか?
(下田大三郎)」


「神様…?(滝沢賢治)」


「何もかも悟り済ました神様にね。
冗談じゃねぇ、そんなことできる訳ねぇ。

いいじゃないですか、怒鳴りたいときに怒鳴り、
ブッ飛ばしたい時にブッ飛ばしゃぁ。

ただ、自分が間違ったとわかったら、素直に謝りゃいんですよ。

あのボロ負けに負けた試合の後で、あんたが生徒たち
ブッ飛ばした時、あの子達反抗しましたか?
逆に先生について来たじゃねぇスか。

あいつらはあんたの涙の中に、
あんたの心を見たんだ。
(下田大三郎)」




「あいつがさっき、あんなに怒った
本当の理由は何だと思う? 

それはお前に託したあいつの夢が破れたからだ。
(滝沢賢治)」


「夢…?(大木大助)」


「あいつは自分がレギュラーに成れない事は
よぉく知ってる。だからその夢をお前に
託したんだ。わかるか?

ボールを持って走るお前は、イソップ自身なんだ。
お前の上げるトライは、イソップのトライだ。
お前の決めるゴールキックは、
イソップのキックなんだ。

そんな他人の夢の為に、
汗水たらしたくないって言うんだったら、
俺はもう何も言わん。

昔のワルに戻って、みんなを悲しませればいいんだ。
(滝沢賢治)」





-あらすじ-

大敗を期した相模一高戦のあと、
選手を殴ったことで川浜市教育委員会に
呼び出された賢治は、厳重注意処分を受ける。

このことで賢治は自分の指導方法に迷いが生じ、
ふとしたことがきっかけで部員たちに
暴言を吐いてしまい、

せっかく一つになりかけたラグビー部員たちの
心は賢治から離反してしまった。








-感想-

またしても長々と“グッと来たセリフ”を
綴ってしまったのですが、やっぱり最近のドラマと比較すると
内容の密度が濃すぎるんですよね。

登場人物も多いので今まで
“グッと来たセリフ”で取り上げながら、

あらすじや感想でフォローしきれなかった
部分もあるので、気になった方は是非本編を
ご覧になって欲しいです。




さてさて、今回は前回が大きく盛り上がった山場なので、
作劇の手法としては当然谷場になるのですが、

滝沢先生の衣装までどこか寒々としていて
なかなか芸が細かいのではないでしょうか。

本編に登場する“体罰”の問題は現在においても
決して古びてはいないのですが、やはり簡単に
結論の出る問題ではないように思います。

私の学生生活の経験でいえば、何回か
軽い体罰を受けたものの、今にして思えば殴られて
良かったと納得している場合が多いのですが、

中には理不尽な暴力を受けた人も
おられることを考えるとやっぱり
一筋縄ではいきませんよね。

暴力はもちろん肯定したくありませんが、
ただ、私には言ってもわからない人に、
あるいは言葉を理解できない人に

人の痛みや苦しみをどうわかって貰えるのか、
その方法がわかりません。




一応、学園物であるこのドラマで興味深いのは、
滝沢先生にしろ、大木にしろ、

暴力沙汰で何度も処分を受けて、
もう暴力は振るわないと宣言しておきながら、

公の目の届かないところでボカスカ殴り
あったりしてたりするのですが、

この辺が妙に人間くさくて私は好きですね。
今回の下田大三郎のグッと来たセリフにもありますけど、
教師であり、人間をキチンと描いているわけです。

その辺のリアリティと、大木や富田圭子辺りの
痛快なフィクションとのバランスが絶妙で、

エンターテイメントとしてこの上なく上質に
仕上がっているのだと思います。







ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0