北野武監督の映画『BROTHER(ブラザー)』の感想

北野武監督の映画を好きか問われれば
「嫌いではないけど…」
と口を濁してしまう私。

このような複雑な心境になるのは、
やはり第一作目にあたる

『その男、凶暴につき』
が、ある意味トラウマになっている
からかもしれません。

なんというか、よく出来た映画ではあるのだけど、
そう何度も観たくないというか、

それは、出来れば目を背けたい“現実”を
抉り出しているからというか…。

表現方法も“バイオレンス”であったかもしれませんが
内容そのものも“バイオレンス”であったのでは
ないかな、と思います。

まぁ、でも、この感想は初見の際学生だったものですから、
今観るとまた違った感想を抱くかもしれませんが。




ともかく、そんな暴力表現が苦手な私が
テレビで放映されるたびに観たいという
衝動に駆られるのが

今回取り上げる映画
『BROTHER』
なのですが…。

改めてTSUTAYAでDVDを借りて観ると、
何やら内容がちょっと違うような…。

ざっとテレビで見た際の相違点を挙げてみると、

・日本から物語が始まっている(TV版)
・山本の愛人が登場しない(TV版)
・デニーと共にマフィアのボスを拉致するシーンが無い(TV版)
・そもそも、終盤にマフィアのボスが登場しない(TV版)
・山本がデニーの目を刺したことを告白するシーンが無い(TV版)

・ラスト、店を出た瞬間にマフィアの襲撃を受けて
山本が前のめりになって絶命する
正面から撮られたシーンがある(TV版)


などなど、ちょっと私の記憶もあやふやなので、
特に最後の項目などは勘違いをしている
可能性もあるのですが、

やや、私の認識していた
『BROTHER』
とはニュアンスが異なっていたのです。







テレビ放映版を録画していたわけではないので、
今思うと記憶違いの可能性もあり、

特に最後の山本が前のめりになって
絶命するシーンがあった、なんてのは、

ひょっとしたら、私の頭の中で想像したシーン
かもしれなかったりするのですが、

ともかく、私はこの映画の主人公山本から、
不器用で、それでいて義理堅くて、

そして行動原理に決して金銭の来ることのない
古き良き日本人像を感じており、

テレビで観た際は、
山本がずっとデニーの目を刺したことを
言い出せないまま死んでしまうという、

“不器用さ”を描いたものだとばかり思っていたので
ちょっと違和感を覚えてしまいましたね。

映画の本編ももちろん楽しめましたが、
テレビ放映版も最低限必要な場面だけを
残した印象でなかなか良かったのではないかと思います。




今回借りたDVDには特典映像“メイキング”に
北野監督へのインタビューが収録されていて

監督は
「兄弟分という、ヤクザの世界の
血の繋がりよりも強い絆を描いた」

という意味合いのコメントをされていたのですが、
個人的には最初からイギリスとの合作という

世界展開を視野に入れた作品であることから
ヤクザだけに留まらない日本人の姿を
描いていたように思いますね。

ただ、結末をデニーの口から
セリフですべて説明してしまうという

『あの夏、いちばん静かな海。』
を手掛けた人と同じ人とは思えない
“らしくない”シーンがあったりするのですが、

ひょっとしたら時間が足りなくなったなどの
事情があったのでしょうか?


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