映画『クロスファイア』の感想

この映画が公開当時、
劇場で観たかったのですが

なんだかんだ(おそらくは資金不足)で
結局それは叶わず、上下巻に分かれた原作を
購入して読んだのですけど、

上巻は、“装填された一発の銃弾”である
青木淳子が活躍してとても面白かったのですが、

下巻は、特に“ガーディアン”が登場してから
いまひとつな展開になって、物語が集結してみると、

結局、宮部みゆき先生としては、
ヒーローを描いていたというよりは、
やっぱり一人の女性を描いていたのかな、と。

ひょっとしたら作家の良心が
“殺人”を肯定するわけにはいかず、あのような
終わり方になったのかもしれませんね。




で、それから十数年後、
偶然TSUTAYAでレンタルされているのを発見し、

そういや、映画版は観てなかったなぁ、
などと思いだして旧作レンタル100円ということも
あって借りて観たのですが、

映画版は原作をそのまま映像化したという訳ではなくて
全体的に物語を再構成させたような形になっていました。

ちょっと気になったのは、時間の問題もあったにせよ
登場人物の描き方がやや浅くて、

特に青木淳子はキレイすぎるので、
せめて多田と知り合うまではメイクや衣装などで、
イケてない雰囲気を醸し出せたのではないかと思います。

基本的にはこの二人の関係が軸となる物語で

原作を再構成したお蔭で
一つの物語としての統一感のような
まとまりが出たと思います。





他にも雑な所がないわけではないのですが、
見応えのあるパイロキネシスの特撮や、

原作では、一人の女としての結末を迎え、
ある意味悲劇で幕を下ろした物語が

映画では、ほんの少しではありますが
ちょっとした“救い”が描かれて、その辺を
補っていると思います。

その“救い”とは、小さなろうそくにポッと
火が灯るかのような、本当に細やかなもの
ではあるのですけど。

原作のラストに物足りなさを感じていた読者の方なら
映画版を観ても損はないかと思います。



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