北野武監督の映画『キッズ・リターン』の感想

「俺たち、もう終わっちゃったのかなぁ」
「バカ野郎! まだ始まっちゃいねぇよ!」

無意識のうちに何度か使っていた
何所で聞いたか知ったかわからぬこのセリフ。

『キッズ・リターン』
という映画で使用されていたのを知るのは
ずっと後だったりします。




既に感想を公開した
『Dolls』
と一緒にTUTAYAで借りたんですが、

難解なDollsとは異なりこちらは
フツーに面白かったです。

もうちょっとハードでシリアスな内容を
想像していたんですけど、

それほど深刻な内容ではなかったし
笑えるところもいくつかありました。

ただ、主題はやっぱり
『努力』『友情』『勝利』から離れた
『現実』を描いているとも言えて

物語そのものはライトと言えるものでは
ないと思うんですけど、それでもエンターテイメントとして
成立していると思います。

ただ、個人的に泣ける映画では
ありませんでした。


また、構成が巧みで物語には
マーちゃんとシンジ、ヒロシとサチコ、
漫才をやっている二人の

三つの視点が絡み合っていると思うんですけど、
これって後のDollsもそんな感じなんですよね。

このなかで、漫才をやっている二人が
そこそこの成功を掴んでいるってのが
世の中の不条理ですよね。




冒頭に書いた

「俺たち、もう終わっちゃったのかなぁ」
「バカ野郎! まだ始まっちゃいねぇよ!」
というセリフ。

このシーンは、人によっては完全なる絶望を描いたと
受け取る人や、絶望の中にかすかな希望を描いたと
受け取る人もいるそうなんですが、

私はどちらかといえば後者ですかね。

絶望を描いたとしたら、エンドクレジットにかかる曲が
若き日の彼らを描いたオープニングと同じような
躍動感溢れるものではないだろうし、

この映画は北野監督がバイク事故の後の
復帰作であることも考えると、

冒頭のセリフって北野監督自身の
言葉にも受け取れなくもないのではないでしょうか。

このセリフ、マーちゃんとシンジが
バイクではないものの

自転車で戯れながら喋っているのも
意図的にそうしたのではないかと想像するのですが
本当のところはどうなんでしょうかね。

ともかく、
「なんか、オレもうダメかも」
って疲れている人にオススメの映画かも?!



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